2011年8月11日木曜日

いくら自由でもさ!寝取るなんて聞いてない!!

もうすぐ公開が終わってしまいますが、この前のスーパー!と二本立てでシアターNで見てきました。

「メタルヘッド」

監督: スペンサー・サッサー - 出演者: レイン・ウィルソン, デヴィン・ブロシュー, ジョセフ・ゴードン=レヴィット, パイパー・ローリー, ナタリー・ポートマン
あらすじ:自動車事故で母を亡くし、心に大きな傷を負った少年TJ。そんなTJの前に、長髪でヘビメタ好き、下品で乱暴で何をしでかすかわからない謎の男ヘッシャーが現れ、TJの家に勝手に住み着いてしまう。一方、上級生に暴力を振るわれていたTJは、スーパーのレジ係のニコールに救われる。TJはニコールに淡い恋心を抱くが、予測不能のヘッシャーの行動にTJとその一家は振り回されていく…。

率直に言うと、何にしてもジョセフ・ゴードン=レヴィットが美味しかった。本能的に生きててぶっ飛んでてメタル野郎で気狂いで常識を逸脱した人間を個性的にかつ魅力的に演じてくれているんです。「500日のサマー」では女女しい男を演じていたものの「インセプション」では、硬派な二枚目をきっちり演じてくれた彼が、その日本人受けしそうなイケメンすぎない甘いマスクをもってそんな役柄を演じてるとあっては、それだけで十分な破壊力があるというもの。彼のメタル野郎なブリーフ一丁な姿を見れるだけでもうずるい映画です。

脇を固める役者陣がまたいい。ナタリー・ポートマンの地味なバカ女が可愛い、ナタリーはどんな役柄も可愛いですね。お父さんのレイン・ウィルソンもスーパー!でトチ狂ってた印象とは様変わりに陰気臭い中年親父を演じてくれてました。素晴らしいです。TJは、子役にしてはなかなかの陰気さがあってよかったです。

物語は、簡単にいってしまえば、ヘッシャーくんのぶっ飛んだ破天荒な生き方に振り回されていく中で人間として家族として再生されていくというお話。想像していた以上に吹っ飛んではいなかったしキレイな終わり方をしてくれました。そういう意味では、ヘッシャーが常軌を逸しつつも、収まりのいい人間ドラマに落として込めていたきがします。

気になったところが、下品な発言やらよろしくない破天荒な行動が苦手というか許せなくなっちゃいそうなところ…一貫してる芯の強さとか、可愛げがなんかあるってとこで許せちゃうんですかね?ここらへんは演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットさまさまな所なのかもしれないですけれど、俺は可愛げあるわ、結構ギャグ、笑えるキャラとして一歩さがって見れちゃった部分があります。でも一歩引けて見れちゃったのは逆にどうなの?という話にもなるかと思いました。現実でいたらドン引きするのは間違いないし、映画のテイストでいうと全くギャグとして描いていないというか大真面目にヘッシャーくんを自由にしてるので、そこを納得というか許せちゃえはするんだろうけど、うん?ってなっちゃう人もいるのかな。結局ヘッシャーくんは何者でもないというか、正体がなにかあるわけでもなく、物語が終わってしまうので、重要な役割を担っているにしてはずいぶんお粗末な扱いではある。そんなこといってもしょうがないんですよねたぶん。ヘッシャーくんはヘッシャーくんで関係ない、そういう映画という枠にすらおさまらない男ってことでいいのかな。物語終盤で、主人公TJくんをさらにまだ突き落とすか!と言わんばかりに淡い恋心を抱いていたナタリーを寝取っちゃう展開もなかなかえげつない。彼は悪魔なのか天使なのかただの馬鹿なのか。ほんとなんなんですかね。

まぁもっとも脚本が甘かった気がするかなぁ、車に執着する主人公にもほとほと置いてけぼりにされたし、あの主人公に固執するいじめっこも結局ナタリー出会いのきっかけなんかね、結局のおばあちゃんの死で終わりに向かっていくのも安易さがある。母でおばあちゃんで…ね。実際でいうところのヘッシャーの自由さとそこまで親子がリンクするようなことってそんななくね、

色々もったいなさが残るけど、感動とバカバカしさが絶妙ないい映画でした。楽曲もメタリカでメタルのツボは抑えてくれるんじゃないのかな?よくメタルはわからないけども。

ヘッシャーの人生を今を生きてるっぷりは、見習いたいです。

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