2011年6月29日水曜日

クロード・シャブロル




クロード・シャブロルという映画監督をご存知だろうか?最近はまりにはまってる彼の作品を少し紹介しつつ、彼を知ってもらいたいと思う。

クロード・シャブロルはトリュフォーやゴダールなどと並ぶヌーヴェル・ヴァーグを代表する作家の一人だ。ゴダールとトリュフォーは知ってるけど…て言う人も少なくないはず。なんといっても彼の作品は、日本での未公開作品が多い。それじゃ知ってる人が少なくてもしょうがないというもの。

クロード・シャブロルが亡くなったことをきっかけに彼への作品が改めて注目され、「引き裂かれた女」を皮切りに「悪の華」「最後の賭け」「甘い罠」の未公開傑作選の公開、そして現在ユーロスペースでのシャブロル特集上映が組まれる運びになった。ユーロスペースから日仏学院へと一ヶ月近くも特集が組まれている!これはなんて嬉しいことだろうか!DVDにもなっていない作品が多いため日本で見ることができる最初で最後のチャンスかも知れない!?映画館で見れるというのは、まして最後かもしれない?

初めて見たシャブロルの映画「引き裂かれた女」の衝撃は、今まで体験したことのないほどの映画体験だった。人それぞれ好みがあって映画好きな人なら好きな監督さん、俳優、映画と色んな肌に合う合わないがあると思うんだけど、ここまで肌に合うと思った監督さんも珍しい。大好きなウディ・アレンに匹敵する!(特にエロい感性がつぼ)

シャブロルは、若い頃それはそれは性交にかまけていたらしく痴漢までしたことがあるという…そういうふっとんだエロの思考や感性が存分に作品に生きてる。ちょっとしたふとももの画、ただのキスひとつとってもいやらしく、場面であまりに唐突にエロスが紛れ込んでくる…そのエロさが違和感を生み出しつつも一つのシャブロルらしさとして醸成しているんだからすごい、ほんと直接描写があるわけじゃないところでもそこにはたまらない何かがあって、見るものを魅了してくる。それだけじゃない、画面にうごめく日常の歪さだったり、退廃さが彼の作品の特徴であり魅力だ。

彼は映画作法は、監督人それぞれあれど、映画作法というものは、作家の深い精神性に基づくものだと下にリンクした「不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話」の中で語っている。どんなに作法はまねることができても自分の精神性とは違うものでしかないんだという。彼のその映画作法におれは完全にほれてしまった、彼の深い精神性にとても共感とはいえないがこれまでかと思うほど惚れ込んでしまった。彼の作品は本当に面白い。


もし時間があるなら、ぜひシャブロル特集を見に行ってみてください。劇場でお会いしましょう!
クロード・シャブロル特集 映画監督とその亡霊たち
フランス映画祭2011特別プログラム



2011年6月27日月曜日

SUPER8 エルファニングの鼻を見つめて

JJエイブラムス×スピルバーグの夢のコンビ!

SUPER8

あらすじ

それは1979年の夏。少年ジョーは父とオハイオの小さな町で暮らしている。ジョーの父は保安官だ。ある日の夜、8ミリ映画の撮影をするために、仲間たち5人と家を抜け出した。だがその撮影中に、米軍の貨物列車の大事故を目撃してしまう。そしてカメラには“何か”が映っていた。それはアメリカが絶対に秘密にしなければならないことで、政府の指示によって秘密軍事施設“エリア51”からその“何か”を輸送する途中だったのだ…。しかし、少年たちは事故現場に8ミリフィルムの空き箱を落としてしまう。それを発見した米軍は、極秘情報が何者かに目撃されたと判断して町中を捜索し始める。
やがて、町では不可解な出来事が続けて起こるようになる。町から犬たちが消え、そして9人が行方不明になる。さらに、少年たちが事故現場から持ち帰ってきた謎の白いキューブが不思議な動きを始めた。その時、少年たちは全てを目撃し、真実を探しに行こうと決断するのだった……。



この映画は「ET」×「未知との遭遇」×「スタンド・バイ・ミー」と色んなところで宣伝され、スピルバーグとタッグを組んでいることも加味して、スピルバーグの映画を思い出させてくれるような映画だと期待された。まさしく映画へのそしてスピルバーグへの愛が溢れる映画だったよ。

「スタンド・バイ・ミー」と聞いてすぐわかると思うけど、主人公は子供たちだ。母親を亡くしてしまってどこか元気のない主人公と映画作りにはげむでぶちん、歯の矯正が可愛い火薬大好き野郎に、映画作りの仲間たちと個性あふれる言ってしまえばベタな子供たちが揃いに揃っている。そこに加えて急遽映画作りを手伝ってくれる女の子(ヒロイン)の登場とこれでもかっていうわかりやすいキャラクター配置がたまらない。徹底して子供目線で描いてくれているるし、この映画の舞台、設定があまりにも愛おしいので主人公に感情移入して童心に帰ってしまう。もしあのくらいの歳の頃にあんな映画仲間がいたら、その映画仲間の中にエルファニング(ヒロイン)のような可愛い子がいて彼女の演技に魅せられてしまったら…こんな淡い映画好きなら誰しもが描いたことのあるような夢がたくさん詰まっていた!!


なにせエルファニングの可愛さ、ツンデレっぷりと言ったら…もう言葉を失ってしまうw


序盤、そんな子供たちに魅せられていると…とうとう予告でも有名な列車事故が起こり、彼らは未曽有の”何か”に巻き込まれていくことになる。この列車事故のスペクタクル、わくわくどきどきはとても良かった。童心に帰って一緒になって巻き込まれていく追体験。

この”何か”は格好の宣伝文句となったのは言うまでもないが、それはJJエイブラムスの「LOST」でおなじみに隠して見せない演出がされているためである。存分に期待させた引きをどう思えるかが評価の大きな分かれ目だったんじゃないかなぁ。

そもそも宣伝が間違っていたのかなとは強く思った、客を呼ぶためのある種の誇張は仕方ないとはいえ、観客は観る前から壮大なオチを期待して見に来てしまったと思うから。

この映画は、親子愛、子供たちの友情、成長とよりどりミドリなところがあるから、テーマに焦点が絞りきれなかった。映画には色んなテーマが盛り込まれるし、それでも観客が迷子にならないように「全体に対する疑問」としてのセントラルクエッションっていうのが存在するんだよね。例えば「インセプション」で言うなら、主人公はインセプションを成功して子供たちに無事会えるか?だろうし、「ロード・オブ・ザ・リング」で言うなら、指輪を破壊することができるのか?みたいな

「SUPER8」のセントラルクエッションを観客は「巻き込まれた何か?」で見てしまう人が多かったんじゃないかと思うし、そこに特に目新しいものがなかった結果の微妙な評価じゃないかな。そこで肩透かし食らっただけならまだしも、冷静に考えれば唐突なだなぁと思わざる追えない展開が続くのは否めない。まぁでもね、そんなことは後から考える屁理屈だし理屈こねてるだけなんだよ。

自分は童心に帰って見れた!となんども言ってるけど、童心に帰れるかどうかがこの映画を楽しめるかどうかの1番の分かれ目だ。子供たちにとっては理屈なんてなしなんだってこと。それほどに夢というか子供心くすぐられる童心に帰れる映画として、とても良かった。


まぁぶっちゃけ途中から、エルファニングの「鼻」が可愛くて一人悶えてた…。しかも主人公の子の鼻も横顔の時に見える鼻のラインがこれまたいい…。なんて「鼻」の映画!!!しかも、歯の矯正くんまでいたとなるとおれはもうテンションあがりっぱなしよw子供たちは演技にしても本当に輝いてた。


あと、注意にエンドロールは決して席を立たないこと!!
エンドロールが1番楽しかったよ笑 ロメロ化学につぼってました笑


[蛇足]エル・ファニングはダコタ・ファニングの実の妹、この姉妹は演技やってくれるなぁ。
エル・ファニングはキレイ系でダコタ・ファニングはカワイイ系ってとこで結構対照的。

いい女優さんになるだろうなぁ〜彼女が出演してたソフィア・コッポラの「SOMEWHERE」を見逃しているので見たい!!